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二番町地区計画公聴会の問題点を指摘する陳情書を、千代田区議会に提出しました
千代田区民の声を届ける会は、二番町地区計画の変更について、2月20日に千代田区議会に向け、本年1月26日公聴会の問題点を指摘して、地域の合意形成の場をつくることと、2月13時点の区による都市計画案の修正を問題視し、現状の計画案自体を撤回することを求める陳情書を提出し、収受されました。

この陳情は、2月28日(火)13:30の千代田区議会 環境・まちづくり特別委員会にて審査の見通しです。

この陳情で指摘した問題点と要望は、以下(1)~(5)の通りです。

(1)賛成意見を述べた公述人と区の利害関係等の問題
(2)区の選定した各公述人と日テレとの利害関係の問題
(3)反対意見についても適正に取り扱う要望
(4)地域で合意形成を図る場を設けることについて、以下①~④を求めました。
  ①日テレの参考人招致
  ②区の担当者との質疑、住民間の意見交換
  ③現地調査の実施
  ④賛成・反対の立場を越えた合意形成の場つくり
(5)区による2月13日時点の都市計画審案の修正の問題点と撤回の要望


【以下、陳情の抜粋】 
長文ですがご容赦ください。
※陳情の全文は、以下関連リンク『2023年2月20日 千代田区議会への『公聴会に関する陳情』全文』をご参照ください。

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(1)賛成意見を述べた公述人と区の利害関係等について
公聴会で賛成の意見を述べた公述人(千代田区作成の賛成公述者のビデオはこちら)のうち、公述人6の方(公述人の番号は区のホームページ「公述意見およびこれに対する千代田区の見解」から引用。以下、同じ。)は区から助成金等を受け取る二番町の町会長、公述人7の方は千代田区の外郭団体である公益財団法人まちみらい千代田の助成を受ける「番町っこ倶楽部」の代表者、公述人10の方は区から助成金等を受け取る五番町の町会長でした。これらの公述人はいずれも区と利害関係を有する人物です。また、公述人8の方は区の職員による代読でした。

(2)区の選定した各公述人と日テレとの利害関係について
本件都市計画案は、日本テレビ放送網株式会社(以下、「日テレ」といいます。)から二番町D地区地区計画の提案を受けて行われたものです。本都市計画案の内容も日テレの所有地のみをD地区として高さ制限を30メートル緩和するものです。したがって、本件都市計画案の提案に至る経緯と内容の両面で日テレが強く関与していることは明白です。そのため日テレ関係者及び日テレから資金援助や利益供与を受けている人物が公述人に選定され、賛成の立場から述べた意見を公述意見として取り扱うことは、公正な立場から住民の意見を反映するという公聴会の趣旨に反することになります。

(3)反対意見についても適正に取り扱うこと
公述意見及び公述申出意見の反対意見に対して、区は「ご意見として承ります」との見解を多数述べています。公聴会は「意見を反映させるために必要な措置」(都市計画法16条1項)として行われるので、反対意見であっても「ご意見」として受け止めたものをどのように区の素案に反映されるかが問われます。全ての反対意見を「ご意見として承ります」として拒否するのであれば、区の姿勢は同法16条1項に反するものと言わざるを得ません。

(4)地域で合意形成を図る場を設けることについて
区の見解では、日本テレビ通り沿道まちづくり協議会は「地域を代表する方々の意見を伺う場であり、、、合意形成を図り、賛否をとって承認する場ではない」との認識を明らかにしています。本件都市計画案に関して、地域で合意形成を図る場がなかったことは極めて深刻な問題です。区は「これまで10年以上かけて地域の方と議論して参りました」としていますが、日テレの90メートル案が出たのは昨年であり、10年以上議論したものではありません。しかも合意形成を図る場ではありませんでした。公述意見及び公述申出意見の約半数が反対意見である状況の中で、地区計画変更を強行するのではなく、地域で合意形成を図るために、次のことを実現していただけますようにお願いします。
  ①日テレの参考人招致
  ②区の担当者との質疑、住民間の意見交換
  ③現地調査の実施
  ④賛成・反対の立場を越えた合意形成の場つくり

(5)区による2月13日時点の都市計画審案の修正について

区は、ホームページにおいて、「【参考】2月13日時点の都市計画の案」として、「都市計画審議会でのご意見や公聴会でのご指摘等をふまえて、二番町地区地区計画の中にD地区を設定することとしました。」として修正案を掲載しました。

しかし、区が「二番町地区地区計画の中にD地区を設定する」と修正を行ったことで、本質的な問題がより明白になりました。

日テレは、D地区が二番町地区地区計画に含まれることを熟知していたのですから、都市計画提案制度を使うのであれば、二番町地区計画の地区内の権利者の3分の2以上の同意を得て、二番町の地区計画の変更を提案すべきでした。
今回の日テレによる都市計画提案制度の使い方は、法令の求めるところを理解し、遵守していると言うことはできず、自社のコンプライアンス憲章に違反する行為であると思慮します

また、日テレは、同憲章で、「地域社会とのコミュニケーション」を掲げ、「私たちは、社会を構成する企業市民として、地域社会とのコミュニケーションを積極的にはかります。地域社会の迷惑となるような行動は行いません」と規定しています。

二番町地区計画が存在していることを熟知しているにもかかわらず、同地域内での合意形成の場を設けることなく、自社所有地だけを対象として都市計画提案制度を使い、実質的な二番町地区計画の変更を主導してきた行為は、地域社会とのコミュニケーションを拒絶するものであり、地域の分断を生み、「地域社会の迷惑となるような行動」に他なりません。日テレは、都市計画提案制度による提案を撤回して、二番町地区計画の地区内の権利者の3分の2以上の同意を得て、提案し直すべきです。

区は、本来であれば、昨年日テレが都市計画提案制度による打診を受けた時点で、二番町地区計画の地区内の権利者の3分の2以上の同意を得て提案するように指導すべきでした。
区がそれを怠り、都市計画提案制度による提案であることを理由に手続を拙速に進め、公聴会が終了した後に二番町地区計画全体の中にD地区を組み込む修正を行うことは、都市計画制度の趣旨に反するものです。区は、区の変更案を修正するのではなく、問題の本質に立ち返り、二番町地区計画の変更案を直ちに撤回してください。
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